

1868年、ボストン出身の時計職人フロレンタイン・アリオスト・ジョーンズは、時計製造の中心地だったスイス・フランス語圏から遠く離れたシャフハウゼンの土地に「インターナショナル・ウォッチ・カンパニー」を創設しました。彼の狙いは、米国の先進的な製造技術とスイス時計産業ならではの卓越した職人技を融合させることにありました。ライン川に隣接するシャフハウゼンには近代的な工場施設や各種機器に動力を供給する水力発電所があり、さらに何世紀にもわたり受け継がれてきた高級時計製造の伝統が息づいていました。すなわち、シャフハウゼンには、彼の計画を実現するのに理想的な条件が揃っていたのです。IWCに対する高い名声は、創立者の名前にちなんで命名された最初のムーブメント「ジョーンズ・キャリバー」によって早くも確立されます。1885年、IWCは「時」および「分」をデジタルで表示する画期的なポケットウォッチ「パルウェーバー・ポケットウォッチ」を発表、その革新的な技術を世に知らしめました。19世紀の終わりには、名品として名高い「キャリバー64ポケットウォッチ・ムーブメント」を搭載する、IWC初の腕時計も登場しています。
ライン川畔での発展
F.A.ジョーンズは「モーゼル工業地帯」として知られる場所で、彼にとって初となる工場施設を借り受けました。間もなく、シャフハウゼンで最も古い建物のひとつであった「オーベルハウス」の部屋も借り、施設を拡大しました。
1874年から1875年にかけて、ライン川畔に隣接する「バウムガルテン」にIWCの工場が新設されました。
この場所には、今もIWCの本社ビルが建っています。本社ビルは2005年と2008年に増築され、東棟と西棟が完成しました。

持続可能性を追求するIWC
IWCは、経済、社会、ならびに環境保全に対する企業が果たすべき責任と真摯に向き合っています。社内においては省資源に繋がる各種活動を実践すると共に、世界各地で国際的なパートナー提携や共同事業を立ち上げるなど幅広い取り組みを行っています。たとえば、身体的、社会的にハンディキャップを負う世界の子供たちや青少年のために活動を続ける「ローレウス・スポーツ・フォー・グッド財団」に対する支援は、IWCが取り組む社会貢献の好例といえるかもしれません。また、生態系の持続可能性に寄与するため、IWCはガラパゴス諸島の自然環境を守る「チャールズ・ダーウィン財団」ほか、いくつかの環境保護団体にも支援を行っています。本社ビルでも、廃熱を再利用して環境負荷の少ないエネルギーを確保するといった、カーボンニュートラルシステムを導入しています。

2012年5月8日-IWCシャフハウゼンは、メルセデスAMGペトロナスのフォーミュラ・ワン(F1)チームと新たなパートナーシップを結ぶことを発表。スイスの時計マニュファクチュールであるIWCは、2013年1月より3年間、メルセデスAMGペトロナス社のオフィシャル技術パートナーとなりました。
かつて2004年、IWCシャフハウゼンとメルセデス・ベンツのパフォーマンスブランドAMGは、機械と先端技術の限界に挑むという共通の課題を掲げ、長期的なパートナーシップを結びました。両社とも精密機械技術分野において最高水準を成し得た長い成熟した歴史を持ち、今や両社はそれぞれの産業分野においてトップの座を確立し、両社のパートナーシップも次の段階へと進むこととなりました。


- スポーティーな魅力を放つ「ポルトギーゼ」
セーリングの「最高峰」とも称され、そのレベルの高さで知られるボルボ・オーシャンレー2011–2012の公式開催に合わせ、同イベントのオフィシャル・タイムキーパーを務めるIWCシャフハウゼンが、特別限定エディションのポルトギーゼ ヨット・クラブ・クロノグラフ"ボルボ・オーシャンレース2011–2012"を発表し、参加6艇のクルーの勇気と彼らのチームスピリットに敬意を表します。また、IWCはアブダビ・オーシャン・レーシングチームのオフィシャル・スポンサーを担い、チームスポーツにおいてもデビューを果たします。
2011–2012年ボルボ・オーシャンレースの
オフィシャル・タイムキーパーとして
「極めて高い水準の精度、完璧さ、耐久性を実現できる時計メーカーでなければ、このように特別かつ特異なオフショアレースで求められる過酷な要望に応えることはできません」と、ジョージ・カーンは熱心に語ります。IWCはボルボ・オーシャンレース2011–2012のオフィシャル・タイムキーパーを務めるだけでなく、IWCシャフハウゼン・スピード・レコード・チャレンジの一環として、レグごとに賞を授与する役目も担います。また、レグ中に設定されて計測される24時間において最も長い距離を航行したチームに、IWCのトロフィーが贈呈されました。アイルランドのゴールウェイでのレース終了時には、同イベント期間中に計測された24時間レコード全てにおける最速記録を打ち出した船のクルー11名に対して、ポルトギーゼ ヨット・クラブ・クロノグラフ"ボルボ・オーシャンレース 2011–2012"を贈りました。最先端の技術水準に合わせて製造された、超ハイテク技術を駆使したボルボ・オープン70クラスのモノハルヨットが、この過酷な状況での航行を後押しします。

このミュージアムでは、IWCの各コレクションの系統をさかのぼって観賞することができます。
ミュージアムでは様々な特別展示も披露されています。1900年以降に発行されたカタログ、歴史的な加工機器、スペアパーツ、設計図、契約書、各種記録など、IWCの書庫から集められた貴重な資料の現品が並び、まさに回顧展というべき趣を呈している展示もあります。
さらに、キャリバーやケース素材、納品日や受取人の名前など、1885年以降にIWCが製造したすべての時計について、その詳細な記録を載せる94冊の台帳のうち2冊が展示されています。これら詳細な記録は、今日にあっても調査研究に欠かせない資料です。また、すべての展示セクションには、8種類の言語で解説が提供されるインタラクティブスクリーンが設置されており、来館者は個々の展示品についてより深い知識を得ることができます。展示の終わりには、詳細にわたる技術仕様や、その他の情報も公開されています。